1970年代に心理学分野で生まれた「メタ認知能力」という言葉ですが、ここ数年で世間一般にも少しずつ知られるようになってきています。
友達や家族、同僚などが、緊張やパニック状態であったとしたら、あなたはどんな言葉を掛けますか?
多くの人は、「落ち着いて」「いつも通りやれば大丈夫」というように、第三者的な冷静なアドバイスを送るかと思います。
他者がプレッシャーのかかっている状況の場合に、非常に的確なアドバイスが送れるように、自分自身を俯瞰で見ることができれば、何があっても物事を円滑に進めていくことが可能なのです。
それが「メタ認知能力」なのです。
この記事では、そんな「自分自身を俯瞰で見るメタ認知能力」について解説していきたいと思います。
人間誰しもが、緊張やプレッシャー、もしくは怒りや悲しみなどによって自分の感情をコントロールできなくなってしまったり、頭が真っ白になって大きな失敗をしてしまうものです。
他人が同じような状況の時は、的確なアドバイスが遅れるのに、なぜ自分のことになると正確な判断ができなくなってしまうのかというと、それは「ソロモンのパラドックス」という心理が人間に働いているからなのです。
ソロモンのパラドックスとは、「他者のことはよくわかるのに、自分のことになると正確な判断ができなくなる」という心理現象です。
旧約聖書に登場するソロモン王は、非常に聡明で優れた人物であったのですが、なぜか自分自身のことは判断を間違え続けてしまっていたそうです。
このような逸話にちなみ、「ソロモンのパラドックス」という言葉が生まれたのです。
このソロモンのパラドックスは、ある一定の人たちだけに起こるわけではなく、その強弱はありますが、ほぼすべての人に共通する心理現象です。
「自分のことは自分が一番わかっている」という言葉をよく耳にしますが、実際は自分自身のことは冷静に判断できないのが人間なのです。
ソロモンのパラドックスのような心理に陥らない為にできることといえば、自分自身を俯瞰で見ることのできる「メタ認知能力」を鍛えることです。
メタ認知能力に関しても、元々高い人もいれば低い人もいます。
一夜にしてメタ認知能力を大きく向上させることは不可能ですが、「日記を書く」という行動を継続することで確実にメタ認知能力を向上させることができるのです。
日記と言っても、ノートに書く方法でなくても、スマホのメモ機能やカレンダー機能を活用しても良いですし、TwitterやInstagramなどのSNSやブログなどでも良いです。
重要なのは、あとで振り返って「自分がどんな状況だと失敗して、どんな状況だと平常心でいられるか」を正確に認識するということ。
例えば、「今日は仕事のプレゼンで緊張してしまい上手くいかなかった」ということを書いたとしたならば、その横にでも「点数」を付けてみるのです。
そうすると、あとで振り返った時にどのくらい自分が冷静でいられなかったのかが視覚的に判断できるようになり、情報を蓄積していくことが可能となります。
このように、日記を書いたらあとで読み返すというルーティーンを作ることで、「自分がどのような状況の時に緊張したりミスをするのか」がわかるようになります。
更に、その緊張やミスに対して「どうすれば良かったのか」というアンサーも書いておくとベストでしょう。
しっかりとこの認識が体に染みついてくると、同じような状況になった時、「あ、自分はこの状況であまりちからを発揮できないタイプなんだ」と事前に認識することができ、「どうすれば良いか」を冷静に判断することができるようになるのです。
この方法を続けていけば、メタ認知能力が鍛えられ、いつの間にか日記に付けている点数が高くなっていくはずです。
今回は、自分自身を俯瞰で見る「メタ認知能力」について解説してきました。
人間には、ソロモンのパラドックスという心理現象によって、自分のことになると冷静に判断できなくなってしまう傾向があります。
もしも今よりも成功を引き寄せたいと思うのであれば、点数を付けたりどうすれば良かったのかといったアンサーなどを日記に書き、あとで読み返すことです。
この方法を使えば、確実にメタ認知能力が鍛えられ、自然と成功を引き寄せることができるはずです。
参照:マコなり社長 【社会人必須】ビジネスマン最強スキル「メタ認知力」を会得する