「今世界で最も面白いサッカーをしているクラブはどこ?」
こんな質問をプレミアサッカーファンに質問をしたならば、かなりの割合で「ブライトン」と答えるかもしれません。
プレミアでは、アーセナルやマンチェスター・シティが面白いサッカーをするクラブとして有名ですが、今季に関してはブライトンで間違いないでしょう。
日本のサッカーファンも、日本代表MFの三笘薫選手が所属していることから、ブライトンのサッカーを見る機会が多くなっているはずです。
普段日本代表のサッカーしか観ないライトなファンの場合は、「え?サッカーってこんな面白いの?」とビックリしてしまうほどでしょう。
いったいなぜブライトンはこれほど面白いサッカーができるのでしょうか?
この記事では、そんな「今世界で最も面白いサッカーを実現させているブライトンの魅力」について解説していきたいと思います。
ブライトンの最大の魅力は、間違いなく「ビルドアップ」でしょう。
ビルドアップの上手いクラブというと、バルセロナやマンチェスター・シティ、アーセナルなどが挙げられますが、ブライトンはもしかしたらその3チームよりもビルドアップ力が高いかもしれません。
ポイントをいくつか挙げてみましょう。
近代サッカーでは、GKも足元のテクニックが必要になっていますよね。
チームがボールを保持している時には、前にポジションを取り、積極的にCBやサイドバックのパスコースの1つとなっていきます。
実際にDfラインでのパス回しにGKが加わるチームも非常に増えています。
ブライトンも同様で、ロベルト・サンチェスとジェイソン・スティールの2人は、フィールドプレイヤー並みの足元のテクニックを持っています。
ブライトンのCBを務めているルイス・ダンクとアダム・ウェブスターは、最高レベルのビルドアップに欠かせないピースとなっています。
相手FWからのプレスをまったく怖がらないのです。
通常、相手チームのFWが激しいプレスをしてくると、CBは多少なりとも焦ってしまうものです。
そのプレッシャーに負けて前線に大きく蹴ってしまったり、質の低いパスを適当に出してしまったりすることもあるものです。
しかし、ダンクとウェブスターはまるでフットサル選手かのように足裏を使ってボールを動かし、あえてギリギリまで相手のプレスを引き付けてからパスを繋ぎます。
見ている方は、「そこでボールを落ち着いて持つの?」「危なくない?」とヒヤヒヤしてしまうほどです。
実際にはこの「食いつかせる」ことで中盤にスペースを作り、ブライトンの中盤の選手が繋ぎやすいようにしているので、ブライトンにとって最も重要なプレーの1つとなっています。
この1~2年で世界のサッカーのトレンドになりつつある「偽SB」の戦術をブライトンも実践しています。
エストゥピニャンとフェルトマンらは、ビルドアップ時にあえて内側に絞ります。
こうすることで三笘とマーチの両WGが中盤サイドに降りてきてボールを持てるようになるわけです。
CBからSBを中継せずに素早くWGにボールを渡せるため、多くのチャンスを作ることができるのです。
ブライトンの攻撃は、三笘とマーチのドリブル突破が武器となっていますが、彼らは足元でもらうだけでなく、積極的にDFの背後を狙っています。
そのため、あえて下がり過ぎず高い位置をキープする場面もあります。
場合によってはCFのウェルベックやエバン・ファーガソンらよりも高い位置を取っていたりもします。
そして、「斜めにダイアゴナルに裏に抜ける」というのも特徴です。
サイドの位置から相手のSBとCBの裏に一気に抜けるため、パスさえ通れば一気にGKと1対1の状況を作れるのです。
ダンクとウェブスターにCBははもちろん、時にはGKさえも三笘とマーチにスルーパスを通そうとロングパスを出します。
実際に何度もこの形で得点やチャンスを演出しています。
ブライトンの魅力はビルドアップ力とWGの裏抜け、ドリブル突破ですが、中盤のタレントも大きな魅力の1つです。
すでに多くのメガクラブが目を付けているカイセドは、圧倒的な運動量と激しい守備を90分間こなしながらもパスセンスも一定以上の水準で持ち合わせています。
マクアリスターは、カタールW杯で優勝したアルゼンチンのスタメン選手であったテクニシャンです。
まさにチームの心臓であるこの2人がいるからこそ、レベルの高いサッカーが実現できていると言っても過言ではないでしょう。
今回は、「今世界で最も面白いサッカーを実現させているブライトンの魅力」について解説してきました。
三笘薫選手のゴールやアシストにばかり注目が集まりますが、ブライトンのサッカー自体がとても魅力的です。
ぜひ一度ブライトンのサッカーを1試合通して観てみてはいかがでしょうか?
きっと一気にファンになってしまうはずですよ。