3月24日に行われたサッカー日本代表の国際親善試合「日本代表対ウルグアイ代表」は、1-1の引き分けに終わりました。
6万人を超える大観衆が国立競技場に詰めかけましたが、初戦を勝利で飾ることができませんでした。
試合後は様々なコメントがSNSやネット上に溢れましたが、特に多く指摘されたのが「日本代表の1トップ」についてです。
この試合では浅野拓磨選手がスタメン出場しましたが、力不足を指摘する声が非常に多かったのです。
はたしてこの問題については、どのような解決策が有効なのでしょうか?
この記事では、そんな「新生日本代表の1トップ問題」について解説していきたいと思います。
カタールワールドカップ後初となる国際親善試合ということもあり、試合前から大きな注目を集めていたこの試合では、三笘薫選手や堂安律選手といった海外組も参加しました。
特にワールドカップではスーパーサブとしての出場だった三笘薫選手は、所属するブライトンで大活躍を続けていて、スタメンを勝ち取ったのがシーズン途中からであるにもかかわらずこれまで公式戦9ゴール5アシストを記録していることから、大きな注目を集めていました。
他にも鎌田大地選手や遠藤航選手、守田英正選手、板倉滉選手といった豪華メンバーが揃ったこともあり、南米の強豪ウルグアイが相手でも「もしかしたら勝ってくれるのかも」と期待したファンも多いはずです。
しかし、ビルドアップの部分もあまりうまくいかず(雨が降っていたことも原因として考えられるが)、攻撃の迫力もあまり感じ取れませんでした。
特に多く指摘されたのが、1トップを務める浅野拓磨選手です。
カタールW杯のドイツ戦では値千金の逆転弾を決めましたが、その後は活躍できず、ベスト8を懸けたクロアチア戦でもチームの足を引っ張るプレーをしてしまいました。
そんな浅野選手がスタメンであると発表されると、試合前から「それはないだろう」「なぜ上田綺世じゃないんだ」といった声が非常に多くSNSやネット上で見受けられました。
そして実際に試合が始まると、その指摘通りあまり効果的なプレーができず、日本代表の攻撃の停滞を象徴する選手となってしまったのです。
浅野選手は、スピードを武器に前線からプレスをかけたり、裏のスペースに走り込みゴールを狙うスタイルが得意な選手です。
この試合でも、ある程度は前線で効果的なプレスを掛けていましたが、問題となるのはその攻撃面での動きです。
前線であまりボールキープができず、起点になれないばかりか、他の攻撃的な選手たちと連携で崩す場面も少なく、存在感を示すことができなかったのです。
そして何より問題なのが、その「決定力のなさ」です。
ブンデスリーガでの今シーズンの得点数はわずか「1」となっています。
24本のシュートに対して1ということなので、決定率は4.2%ということになります。
ちなみに三笘選手はリーグ戦でシュート20本に対して6得点の決定率30%です。
素晴らしいチャンスメークで活躍する久保建英選手は、決定力に課題があるとされていますが、それでもシュート48本に対して5得点の決定率10.4%となっています。
浅野選手の「4.2%」という決定率を踏まえれば、ドイツ戦でのゴールも「運が良かった」と考えるのが妥当でしょう。
やはり浅野選手以外が1トップを務めるべきなのは明白だと言えます。
日本代表の1トップ問題を解決するためには、主に2つの方法が考えられます。
1つ目が「浅野選手以外の有望FWを起用すること」
2つ目が「2トップ制を試すこと」です。
浅野選手の代わりとなるFWとしては、今回も招集されている上田綺世選手には大きな期待が持てます。
ベルギーリーグで14得点を挙げて得点王争いをしていますし、シュート練習でも明らかに他の選手よりも良いシュートを打っています。
町野選手や前田選手もいますが、まだまだ力不足感は否めません。
上田選手以外では、やはりスコットランドリーグで得点ランキング首位となっている古橋亨梧選手でしょう。
上田選手と古橋選手を軸に戦っていけば、1とプ問題が解決できる可能性もあります。
また、思い切って2トップ制にする選択肢も意外に有効かもしれません。
なぜならば、久保建英選手や三笘選手、伊東純也選手であれば、2トップの一角であってもプレー可能だからです。
彼らをより高い位置で使うことができれば、上田選手や古橋選手のマークも分散されますし、前線からのプレスもかけやすくなることでしょう。
今回は、「新生日本代表の1トップ問題」について解説してきました。
中盤に良い選手が揃う日本代表ですが、やはり大きな問題となるのは1トップでしょう。
ぜひ森保監督には、ここで挙げた解決策を試してもらいたいものです。