2022年11月21日から行われる「FIFAカタールワールドカップ」ですが、組み合わせも発表されいよいよ本番ムードが高まってきました。
4月2日に行われた組み合わせ抽選会では、日本は強豪ドイツとスペインと同組になることが決定しました。
もう1枠は大陸間プレーオフで対戦するコスタリカとニュージーランドの勝者となります。
この2強2弱のグループリーグで日本が番狂わせを演じるには、どのような戦い方を行っていけば良いのでしょうか?
特に注目すべきはやはり初戦のドイツ戦です。
この記事では、そんな「カタールW杯で日本が決勝トーナメントに進出するためのドイツ戦の戦い方」について解説していきたいと思います。
まず、ワールドカップのグループリーグは各チームが3試合行い、グループの1位と2位が決勝トーナメントに進出する流れとなります。
3連勝すれば勝ち点は「9」となりますし、3連敗すればもちろん勝ち点は「0」のままです。
4チームの総当たり戦の場合、決勝トーナメントに進出できるボーダーラインは「勝ち点5」だと言われています。
実際には勝ち点5であっても得失点差で並び決勝トーナメント進出を逃す可能性もあるのですが、基本的にはこの勝ち点が目安となります。
要するに、3試合を「1勝2分け」できれば決勝トーナメント進出の可能性が高くなるということです。
この条件を踏まえたうえで、日本の戦い方を予想していきましょう。
日本のカタールワールドカップの初戦はなんとドイツ戦となりました。
ヨーロッパ予選を9勝1敗(勝ち点27)という圧倒的な戦績で余裕の突破をしてきたドイツは、今回のカタールワールドカップでも優勝候補筆頭の国です。
そんな超強豪国と初戦を戦うことになったわけですから、世界中のフットボールファンは「ドイツの順当な勝利」を予想しているのが現実です。
そのドイツに対して日本は、「引き分け」をしなければなりません。
もちろん勝てれば最高ですが、戦力差は明らかであり、南米勢やスペインのようにしり上がりに調子を上げてくるタイプではなく、初戦からしっかりと闘ってくるはずですなので、勝てる確率は限りなく低いでしょう。
1つデータを出してみましょう。
直近20年ほどのワールドカップにおけるドイツの初戦の試合結果です。
2018年のワールドカップの初戦では、ドイツはメキシコ代表に0-1で敗戦しています。
2014年のワールドカップの初戦は、ポルトガルに4-0で勝利。
2010年はオーストラリアに4-0で勝利。
2006年はコスタリカに4-2で勝利。
2002年はサウジアラビアに8-0で勝利。
1998年はアメリカ合衆国に2-0で勝利。
1994年はボリビアに1-0で勝利。
いかがでしょうか?
前回のロシアワールドカップこそメキシコに0-1で敗れていますが、それまでは6回とも勝利を収めています。
4-0や8-0といった圧勝劇もあるなど、初戦を苦手としている感じはしません。
日本と似ていて非常に堅実な国民性ゆえに、「4年前のような失態は繰り返さない」と初戦はかなり気合が入っているはずです。
このことからも、日本が勝てる確率はかなり低く、勝ち点1を奪いにいくような戦い方を徹底すべきだと言えるでしょう。
見出し:ドイツから勝ち点1を奪うための戦い方
ドイツ代表は、GKにノイヤーとテア・シュテーゲンといった世界でも5本の指に入る選手がいますし、ディフェンスはヨーロッパ予選10試合で4失点のみとかなりの守備力となっています。
中盤もキミッヒやギュンドアン、ドラクスラー、ヴァイグルなどかなり層が厚くなっています。
前線はバイエルンのミュラー、ニャブリ、サネという強力な3人が並んでいるため、得点力も非常に高いと言えます。
要するに、「穴という穴がない完成度の高いチーム」ということです。
日本がそのドイツから勝ち点1を奪う為には、奇策ではなく、90分間激しく中盤でプレッシャーを与え続けるという戦い方が適していると考えられます。
スペインや南米勢のようなテクニカルさがないので、プレッシャーのすべてをテクニックでかいくぐるようなうまさはドイツ代表にはありません。(もちろん十分に上手いのですが)
現在の日本には、対戦国のドイツブンデスリーガでプレーするMFが3人もいます。
デュエルで圧倒的な強さを誇る遠藤航選手(シュツットガルト)、攻撃的な選手ながら激しいプレッシャーも掛けられる原口元気選手(ウニオンベルリン)、そしてこの1年で一気に台頭してきたテクニック抜群の田中碧選手(デュッセルドルフ)です。
この3選手は、日常的にドイツの選手たちとしのぎを削っているので、ワールドカップでも気圧されることはないはずです。
また、この3人以外にも対人能力もありテクニックもある守田英正選手もドイツ代表選手相手に入プレッシャーを与え続けられる可能性が高いでしょう。
この4人を積極的に起用することができれば、中盤の主導権争いも良い勝負ができるはずです。
後半に入り疲れた選手がいれば、同じくアグレッシブなプレーができる旗手怜央選手を途中出場させても良いでしょう。
また、先日ELのバルセロナ戦で大活躍をした鎌田大地選手もドイツのフランクフルトでプレーしており、攻撃はももちろん激しい守備もできるのでファーストチョイスで使ってみても面白いかもしれません。
強度のない柴崎岳選手や久保建英選手、三苫薫選手は、残念ながら初戦のドイツ戦の先発はないでしょう。(久保選手と三苫選手は先制点を取られた展開での途中交代はあり得る)
前線に関しても、大迫勇也選手のように調子の悪い選手ではなく、伊藤純也選手や浅野拓磨選手、南野拓実選手といった切れのある選手を先発させて、前線でも中盤でもプレッシャーをかけ続けるべきです。
鹿島アントラーズのエースとなった上田綺世選手を先発で使うのも、アグレッシブな守備ができるのでありかもしれません。
古橋亨梧選手も怪我から復帰をして復調すればもちろんレギュラー候補ですし、後半からハイプレシャーを掛けられる前田大然選手を投入するのも良い手かもしれません。
今回は、「カタールW杯で日本が決勝トーナメントに進出するためのドイツ戦の戦い方」について解説してきました。
決勝トーナメントに進出するためには、勝ち点5を目指さなければいけないので、初戦のドイツ戦は何としても引き分けなければなりません。
ぜひ普段からドイツで戦っているメンバーや、キレがありハイプレッシャーが掛けられるメンバーを先発で使い、90分間激しく中盤でプレッシャーを与え続けるという戦い方をすべきだと言えるでしょう。