団体を超えた戦いは、当初の予想道理かなり熱い展開となりました。
6月19日に東京ドームで行われた「THE MATCH 2022」では、天心選手と武尊選手の激闘はもちろん、「RISE」と「K-1」のチャンピオンクラスの選手同士の戦いも非常にハイレベルなものとなりました。
結果は天心選手が1Rに見事な左のカウンターでダウンを奪うなど武尊選手に完勝し、RISE勢が対戦成績で勝ち越すなど、ややK-1側にとっては悔しい結果となりましたが、勝敗以上の感動を格闘技ファンに与えてくれたのは間違いないでしょう。
しかし、大きな盛り上がりを見せたこのイベントで危惧するのは、「天心がボクシングに転向した後のキックボクシング界はどうなるのか?」ということです。
大きなスターを失った今、次の主役となる選手はいったい誰なのでしょうか?
この記事では、そんな「THE MATCH」後のキックボクシング界の主役候補ついて解説していきたいと思います。
「THE MATCH 2022」では、これまでに絶対に交わらなかった「RISE」と「K-1」が対抗戦という形で実現しました。
格闘技ファンからすると、「想像はしたことがあるが実現しない戦い」が実際に目の前で行われることとなったため、まさにドリームマッチと言える戦いです。
冒頭でも挙げた通り、結果的にはRISEの勝ち越しとなりましたが、その戦いはどれも拮抗したものばかりで、「攻守のバランスが取れているRISE」と「攻撃重視のK-1」という違った格闘技の戦い方は非常に観ている者を楽しませるものでした。
今回の「THE MATCH 2022」によって、今回のような対抗戦がまた行われる可能性があるというのは、格闘技界にとってプラスとなると言えるでしょう。
しかし、団体の壁が低くなったという変化と併せて注目しなければならないのは、やはり「天心に代わる次のキックボクシング界の主役」です。
K-1の武尊選手が今後どのような動きを見せるかはまだ不明ですが、30歳という年齢や今回の敗戦を踏まえれば、「新たなスター」が必要不可欠であると言えます。
「那須川天心」というキックボクシング界最高のアイコンを失った今、時代は確実に変わっていくのです。
今回の「THE MATCH 2022」では、もちろん「天心選手VS武尊選手」という歴史的な一戦がメインでしたが、それ以外にもメイン級の戦いが数多く行われました。
どの試合も熱い戦いでしたが、「今後のキックボクシング界を引っ張る存在となるのでは?」というような存在感を示した選手も何人かいたように感じます。
1人ずつ挙げていきましょう。
シュートボクシング最高傑作と言われている24歳の海人選手は、K-1でも屈指の実力者と言われる野杁正明選手を判定で下し一躍その名をキックボクシング界に知らしめました。
戦前では、残酷さすら感じる野杁選手の勝利を予想する人がほとんどでしたが、その予想を見事に覆し勝利を収めました。
あの野杁選手と真っ向から戦い判定ながら押し切った海人選手の強さはまさに本物であり、そのイケメン度合いや若さから見ても今後のキックボクシング界を引っ張る存在となるのは間違いないと思われます。
今後は日本人に相手がいなくなったことでいよいよ世界の強豪たちとしのぎを削っていくことになるはずです。
その結果次第では、キックボクシング界の主役に躍り出る可能性もあると言えるでしょう。
RISEの第6代ライト級王者の原口健飛も、その強さを存分に見せつけた選手の1人です。
「ゴールデンフィスト」の異名を持つK-1の山崎秀晃選手からTKO勝利をもぎ取りました。
あまりの強さに驚いた人も多かったのではないでしょうか?
原口選手も24歳とまだ若く、伸びしろも十分なので、今後のキックボクシング界を背負って立つ存在となることでしょう。
今後さらに明確なキャラクターを付けていくことができれば、人気も高まっていくはずです。
K-1側で最も期待値が高い選手と言えば、玖村将史選手でしょう。
「THE MATCH 2022」では、天心選手のライバルである志朗選手に「0-3」の判定勝ちを収め一気にキックボクシング界で注目される存在となりました。
2Rに右フックでダウンを奪い、その後も圧力をかけながらもテクニカルな攻撃を繰り出すなど、その強さをいかんなく発揮しました。
まだ23歳と若く、さらに海人選手と同じようにイケメンであることからも、今後はK-1界の主役として盛り上げてくれる存在となることでしょう。
今回は、「THE MATCH」後のキックボクシング界の主役候補について解説してきました。
天心選手がキックボクシング界を引退した今後は、新たなスターが必要不可欠であると言えます。
今回挙げた海人選手や原口健飛戦選手、玖村将史選手はまさに主役候補であるはずです。
格闘技界の熱を下げない為にも、早く天心選手クラスのスター選手が現れてほしいですよね。