ついに今年もメジャーリーグが開幕しましたね。
日本が誇るスーパースターである大谷翔平選手の活躍にも大きな期待が寄せられますが、開幕戦から大きな話題となっているのが、メジャーリーグの新ルール「ピッチクロック」です。
投手の投球時間を短縮するこのルールは、開幕戦から各地で違反投手が続出し物議を醸しています。
大谷翔平選手は開幕戦では違反しませんでしたが、その影響はかなり大きいと感じられました。
この記事では、そんな今季のメジャーの新ルール「ピッチクロック」とは?その効果と懸念されるポイントについて解説していきたいと思います。
ピッチクロックは、メジャーリーグが今季から採用している新ルールで、「投手の投球に要する時間を管理するルール」となります。
具体的には、以下の様な内容となっています。
この秒数のルールを投手が違反してしまうと1ボールがペナルティとして課せられます。
また、打者が違反した際は、逆に1ストライクがペナルティとして課せられます。
タイムクロックのスタートは、捕手からボールを受け取った瞬間からです。
この新ルールの目的は、「試合時間を短縮すること」となっています。
メジャーリーグの平均試合時間は3時間15分程度となっていましたが、時代的にもスピーディーさが重要となっているため、このピッチクロックをどうにゅすることになりました。
実際に今季の開幕戦の15試合の試合時間は平均2時間45分となり、26分間も短縮されました。
前述した通り、ピッチクロックは試合時間を大幅に短縮できるため非常に良いルールのようにも思えます。
テンポ良く試合が進行していくので、スピード感のあるスポーツに生まれ変わったと言っても過言ではないでしょう。
しかし、ポジティブな意見ばかりではなく、選手にとっても観客にとってもネガティブな要因も含まれているのです。
それは、「制限オーバーが多発し試合が壊れてしまう可能性がある」ということや、「心理戦などの駆け引き要素が少なくなり面白さが半減してしまうこと」です。
野球においてストライクやボールが1つ増えると、試合結果に大きな影響を与える可能性があります。
例えば、同点で迎えた9回裏2アウト満塁フルカウントの状況で、投手がピッチクロック違反を行ってしまった場合、四球となり押し出しサヨナラで試合は終了してしまいます。
打者側が残り8秒までに打席で構えなければ、三振となり投手がボールを投げることなくゲームセットとなるのです。
開幕戦では14回もの違反が発生していて、今後も慣れて数は減ってはいくはずですが、長いシーズンの中ではこのピッチクロックによって勝敗が左右するようなことも十分に起こりえるでしょう。
野球を観戦している時、「次はどんな球種を投げるのか?」「打者はどんな球種を待っているのか?」といった予測をして楽しむことも多いですよね。
しかし、ピッチクロックの導入によって、そういった楽しさも激減し、淡々と試合が進んでいくようになります。
WBCの決勝の様な緊迫した試合展開であっても、スピーディーに投げなければならないのです。
メジャーリーグでも、シーズン終盤には上位陣による白熱したポストシーズンが行われますが、そういった最高の試合でさえテンポ良く試合が進んで行ってしまいます。
開幕戦で6回無失点の10奪三振という好成績を残した大谷選手ですが、落ち着いて投球することができないこのピッチクロックの影響が今後どのように出てくるのか分かりません。
この試合でも見られましたが、ベンチで上着を着て座った3分後に自チームの攻撃が終わってしまい、急いでマウンドに上がるといったケースも増えることでしょう。
二刀流として出場している大谷選手にとっては、かなり厳しいルールとなる可能性もあるかもしれません。
今回は、今季のメジャーの新ルール「ピッチクロック」とは?その効果と懸念されるポイントについて解説してきました。
投手の投球時間に関する大幅な改正を行った「ピッチクロックルール」ですが、今季のメジャーリーグでは大きな影響を及ぼしそうです。
大谷翔平選手やダルビッシュ有選手らの活躍と共に、この新ルールに注目して観戦してみるのも面白いかもしれませんよ。