2021年の11月にFCバルセロナの監督としてある男が古巣に舞い戻ってきたました。
彼の名は「シャビ・エルナンデス」
2000年代後半から2010年代前半にかけて世界のフットボールの頂点に君臨したバルセロナ黄金期を知っている人であれば、その名前を良く知っているはずです。
メッシやイニエスタと共に伝説を作ったシャビは、メッシが去り暗黒期に突入しようとしているバルセロナを再びフットボールシーンの主役へと変えようとしています。
この記事では、そんな「シャビ監督率いるバルセロナの魅力」について解説していきたいと思います。
参照: https://www.footballista.jp/special/95378
「これまでのフットボール史の中で最強のチームと言えば?」
こんな質問を世界中のフットボールファンに聞いたとしたならば、間違いなくトップ3に入るであろうチームが、冒頭でも挙げた2000年代後半から2010年代前半のFCバルセロナでしょう。
そして、その中心にいたメンバーこそがシャビ・エルナンデスなのです。
史上最高のフットボーラーであるメッシや、スペインの天才イニエスタと共にバルセロナの黄金期を支え、「ティキ・タカ」という最強のパスサッカーを具現化させた選手でした。
シャビは、我々日本人とほとんど変わらない体格、身体能力でありながらも、誰からもボールを取られないキープ力と異次元の空間把握能力、そして正確無比なパスの精度でバルセロナの心臓として長きに渡り活躍し続けました。
そんな彼は、カタールでの選手生活(その後2年程度監督を務めた)を経て、古巣であるFCバルセロナの監督に就任したのです。
1990年代の黄金期から数年間の暗黒期が訪れた過去と同じように、メッシというスーパーな選手が去った後のバルセロナは再び暗黒期に突入しようとしていました。
チームの顔となるスター不在で、昨シーズン国王杯は優勝したものの、その戦いぶりはかつて相手チームを圧倒していた強さを微塵も感じられないものでした。
「レジェンドであるシャビが監督になったところでこの流れは変えられない」
これが欧州のフットボールファンの予想でした。
就任後2ヶ月は苦戦していたシャビ監督でしたが、冬のマーケットで大胆に動き、チームの戦力と雰囲気、戦い方を一気に変えていきます。
この4選手の加入によって、単純に戦力を上げるという狙いだけでなく、チーム内の競争意識を高め、チームとしてワンランク上に押し上げることを目指したのです。
年明けからの戦績は、リーグ戦や国王杯、ELなどを含めた公式戦で7勝1敗3分とかなり良い結果となっています。
特筆すべきは直近の3試合(バレンシア戦、ナポリ戦、ビルバオ戦)です。
3試合すべてで4得点を上げており、オーバメヤンら新戦力と既存メンバーが上手く融合し、試合内容も雰囲気も最高の状態となってきているのです。
期待されながらも結果を出せていなかったデンベレも覚醒を予感させる活躍をし始めていますし、チームの未来とも言えるカンテラ出身の逸材「アンス・ファティ」も今後怪我から復帰してくることでしょう。
2021年~2022年シーズンも5分の3が終了し、ここからリーガの優勝は難しいというのが現実ですが、来シーズンのチャンピオンズリーグの出場権獲得は十分に実現可能だと言えるでしょう。
そして、来シーズンに再び欧州のフットボールシーンの主役チームとして復活する可能性も十分にあるはずです。
見事沈没しかけていたFCバルセロナを再び上昇させているシャビ監督ですが、注目されるのはその戦績だけではありません。
シャビ監督自身が現役時代も監督になってからも強いこだわりを持っている「ティキ・タカ」という戦い方を新制バルセロナでも実現できるかどうかも大きな注目となっています。
その中心となるメンバーが、前述したカンテラ出身のファティであり、同じくカンテラ出身のガビ、そしてこれからのバルサを担うペドリ、そしてすでに中心選手であるデ・ヨング、新戦力のフェラン・トーレスといった選手たちになるはずです。
テクニックに優れ、若いゆえにまだまだシャビ監督からの指導による伸びしろも期待できるので、彼らを中心に数年で新制ティキ・タカを作り上げていくのではないでしょうか。
今回は、「シャビ監督率いるバルセロナの魅力」について解説してきました。
異次元のプレーを披露し続けたメッシというスーパースターが去り、暗黒時代に突入するかと思われたFCバルセロナ。
しかし、チームのレジェンドであるシャビが監督に就任したことで、再び強いバルセロナに戻る可能性が出てきました。
ぜひシーズン終盤戦、そして来シーズンの爆発を期待しましょう。
また世界を魅了したティキ・タカが観れるかもしれませんよ。