俳句と言うと、固いもの・日本の古い伝統・年配の方の趣味と思われて敬遠されがちですが、実は中学生や高校生、大学生など若い人でも気軽に楽しめる遊びなのです。
今回は、なかなか触れる機会のない俳句についてお話ししたいと思います。
俳句は五・七・五から成る、文字の組み合わせです。
季節に関する言葉(季語)も取り入れましょう。
季節ごとに季語の具体例をあげると、以下のようなものがあります。
春:桜
夏:かき氷、田植え
秋:紅葉、赤とんぼ
冬:雪景色
もちろん、これら以外にも多数の季語が存在しますので、俳句に合う季語を選びます。
小文字(小さな「っ」や「ょ」など)などの扱いには注意が必要です。
小さな「っ」は1文字(例:葛藤=かっとう=4文字)、「ょ」は前の文字と組み合わせて1文字(例:処理=しょり=2文字)と数えます。
「ゃ」「ゅ」は「ょ」と同様に、組み合わせて1文字と考えます。
切れ字(切れ)とは、その言葉の後で文章を切ることができる言葉です。
わかりやすく説明すると、俳句の中で句読点の点「。」を打てる部分が入っていないといけません。具体例としてよく用いられるものを挙げてみます。
かな:○○かな「。」・・・句の最後に「。」を打てます
や:○○や「。」△△・・・句の途中に「。」を打てます
けり:○○けり「。」・・・句の最後に「。」を打てます
動詞や形容詞の終止形なども含めることができますが、学校でも習うほど代表的なものといえばこの3つでしょう。
まず初めに内容を決める題材を探します。風景やその日の気候、心情など何でも良いです。最初は難しく考えず、身の回りで目に入るものをどんどん俳句にしていきましょう。
固く考えず、思いついたことを俳句にします。
「カーテンが ふんわり揺れて 秋来たる」という俳句を例とします。
このように、その時に視覚・嗅覚・聴覚に飛び込んできた情報から、ふと何かを感じたことに対して、言葉の並び方などは深く考えず、とにかく五・七・五の形を作っていきます。
若い人の場合、俳句に対して「難しい」というイメージを抱いていることが多いので、言葉は自分達が使っている簡単な言葉を用いるのが一番俳句を作りやすいでしょう。
事実を俳句にすることは言葉で表現しやすいため、ノンフィクションの俳句はおすすめです。
何個か俳句を作って頭が慣れてきたら、次は言葉選びを考え始めます。
同じ言葉でも、言い換えるととても美しい音になる場合があります。
より俳句らしく言葉を選ぶためには、その事象についていくつもの言い方を考えます。例えば、「風が吹く」について考えてみましょう。
4段階に分けて書いてみましたが、1段階目では単に風が吹いているだけだったのが、言葉を少し付け加えていくことで、最終的には「秋風が吹く」から「そよ風が会話をしている」と言い換えることができます。
俳句の場合、五・七・五と文字数が限られているので、何通りもの言い方を書き出して、「これだ!」と思う最良の組み合わせを見つけ出します。
さらに俳句に慣れてくると、古語を組み合わせる日本語の美しさを用いた俳句へとステップアップすることができます。
とはいえ、若い人にとって古語は俳句以上に近寄り難いものであり、学校で古文の勉強をしてみても、それをすぐに俳句に組み合わせることはなかなかできません。そこで、有名な俳人の句を参考に学んでいくと良いと思います。
著者は古語を取り入れるために、次の点を参考にしてみましょう。
有名な方の俳句は、難しい古語を用いていても、とても綺麗な言葉の組み合わせ方ですぐ意味がわかるよう口語も組み合わるなどと、工夫されているものが多いです。
また、むやみに古語を使うのではなく、季節を表す古語や物を表す古語など、俳句によく使われる古語もあります。
俳句は個性を出すことが重要です。決して変わった言葉や難しい言葉を使えば良いという意味ではなく、その時に自分自身が感じたことを「自分自身の言葉で」表現することが大事です。
より個性的なものを目指すのであれば、今まで人が扱っていない題材をテーマに俳句を詠んでみましょう。例えば、その日の天気について詠むだけでも、テーマは「気温」「空気の冷たさ」「自分の気持ち」などいろいろ分岐させることができます。
さらに、同じ言葉をカタカナ・平仮名・漢字のどれで表現するかでも個性を出すことができます。また、もう1つの注意点として人の俳句を模倣してはいけません。
いかがでしたでしょうか。楽しむことを前提に、簡単な言葉を組み合わせていく、誰でも遊べる気軽な遊び方と感じていただけたでしょうか。
日本の伝統を継承する人が減っていると言われる今だからこそ、是非、簡単な俳句から日本の良さに触れてみて下さい。