仕事や勉強をする場所がいつも決まっているという人は多いかもしれませんが、今日からは違う場所で行う時間を作るべきかもしれません。
子供の頃から、「テーブルじゃなくちゃんと机で勉強しなさい」と言われて育った人からすると意外かもしれませんが、人間は定期的に場所を変えた方が良い効果を得られるのです。
「自分は記憶力がないから良い大学に行けない」
「記憶力がもっと良ければ複数の仕事を器用にこなすことができるのに」
そんな苦い思いをしている人も、この方法を利用すればワンランク上の成果を得ることができるはずです。
この記事では、そんな仕事や勉強の効果を落とさない「場所ニューロン」という考え方について解説していきたいと思います。
場所ニューロンとは、脳の海馬にある「場所を司る細胞」で、記憶するための細胞が活性化すると考えられているのです。
具体的に言うと、海馬は記憶を一時保存する倉庫のようなものなので、海馬が活性化すればそれだけ記憶力向上が期待できます。
ある程度の時間(2時間程度)同じ場所で勉強や仕事をしたら、違う場所に移動して続きを行うだけで、効率よく記憶していくことが可能なのです。
これまで同じ場所で勉強や仕事をしていた人からすると、目から鱗のような話ですよね。
また、記憶するための細胞を活性化させるだけでなく、「アセチルコリン」という脳内物質も活性化できます。
このアセチルコリンは、創造性やひらめきといった効果を高めるので、ビジネスなどを行うのに好影響をもたらします。
いかがでしょうか?
今現在、受験勉強などを頑張らなければいけなかったり、資格の勉強、多くのタスクを抱えている人は今日からでも場所を変えながら勉強や仕事を進めるべきと言えるかもしれません。
例えば2時間おきくらいに場所を変えることで記憶力や創造性に好影響をもたらすことができますが、できるだけ「行ったことがない場所」の方が高い効果が得られると考えられています。
自宅の自分の部屋に置いてあるデスクと、違う部屋のデスクを行き来するだけでも効果は得られますが、「自宅のデスクとカフェ」「自宅のデスクとファミレス」のように、その都度場所を変える方が良いということです。
毎回言ったことがない場所に行けば一番効果的ですが、現実的には難しいので、前述したように組み合わせが理想だと言えます。
場所ニューロンを活用して記憶力や創造性を高めようと考えた時、その場所の「音」に関する環境も考慮する必要があります。
なぜならば、「人によって音があった方が集中できる場合とそうでない場合があるから」です。
一般的には、激しい音楽や周囲の騒音があるよりも静かな環境やアルファ波を発するBGMのような音楽が集中力を高めると言われています。
しかし、人によっては「無音だと逆に集中できない」「静かなBGMだと眠くなってしまう」という場合があります。
そういったタイプの人の場合は、「POPミュージックが掛かっていたり周囲の騒音(店内で隣の人の話し声が聞こえたりパソコンのタイピングの音)があった方が良い」と感じるはずです。
どちらのタイプかによって、自宅から移動する場所を変えた方が良いと言えます。
静かな環境の方が良いというタイプであれば、図書館や有料の自習室などがおすすめですし、ある程度音楽があった方が良いのであればカフェやファミレスなどが良いかもしれません。
見出し:デスク周りの模様替えを定期的にして同じ場所で「場所ニューロン」を生み出す
人間は毎日繰り返し行う事柄に対して「馴化(じゅんか)」してしまうものです。
馴化とは、「繰り返し行う事柄に慣れていってしまう」という心理現象です。
毎日行う着替えや入浴、髪をドライヤーで乾かすという行為にドキドキしていてはすぐに体力と気力を消耗させてしまうので、生物的にはポジティブな反応だと言えます。
しかし、毎日同じデスク勉強や仕事を行っていると、多少なりともこの馴化が起こってしまうので、「新鮮さ」を与えることが有効です。
毎日デスクを変えるわけにはいきませんので、例えば視界に入る位置のポスターを変えたり、デスク周辺の模様替えをするといった変化をさせるのもおすすめです。
変化をさせることで、「場所ニューロン」の効果も少ないながらも得ることができるはずです。
今回は、仕事や勉強の効果を落とさない「場所ニューロン」という考え方について解説してきました。
勉強や仕事を行う場所を変えるだけで、大きな効果を得ることができます。
ぜひ明日からでも、定期的に場所を変更してみてはいかがでしょうか?