コロナ感染とBCG摂取の関係は?データが示す相関とは?

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20/05/09 00:03

 

新型コロナウイルス感染の拡大が続き、収束が見えない状況ですが、その一方、アビガンやエムデシベルなど、特効薬として期待される薬に注目されています。

 

そして、こうした特効薬やワクチンの開発とともに、巷(ちまた)で根強く議論されているのが「コロナ感染とBCG摂取の相関関係」です。

 

これについてみていきましょう。

 

 

コロナとBCGの相関とは?

 

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コロナに対する様々な状況分析の中で、以前から一部で議論されているのに一向に「市民権」を得ておらず、しかし特筆すべきテーマが、コロナ被害の発生とBCG摂取との相関関係です。

 

ちなみに、BCGの本来の目的は、結核予防が主なものです。

 

コロナとBCGとの相関関係に関する議論の概要を示すと、次のようになります。

 

コロナによる死亡者率(100万人当たりの死亡者数)をみると、日本が3人程度なのに対して、欧米諸国は300-500人と、100倍もの差があります。

 

これを更に詳しくみていくと、シンガポールや韓国を含む東アジアや(旧)東欧、南アフリカなどの数値が低いのですが、これらの地域ではBCG摂取が義務付けられています。

 

更に興味深いのは、下記の対比です(○:BCG摂取、×:BCGなし)。

 

×スペインは○ポルトガルの3倍の死亡率

 

×イランは○イラクの30倍

 

×(旧)西ドイツは○東ドイツの3倍

 

などなど、単純に相関関係だけをみるとほぼ100%実証されているのです。

 

 

真偽のほどは?

 

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この議論が市民権を得ない理由として、他の要因も多く考えられるため、短絡的に断定すべきではないとの指摘があります。

 

人種や民族による遺伝的な要素や気候、マスク着用などの習慣、握手やハグといった「密」な関係などが挙げられています。

 

また、例えばフランスは2007年までBCGワクチン接種を行っていましたが、数値は高い状況にあります。

 

 

まとめ

 

  • コロナ感染とBCG摂取の相関は?
  • 多くのデータが示しているが、否定論も
  • 今後の検証により真偽に決着をつけるべき

 

 

アビガン投与で安心を得たい一方、日本はBCG摂取国だから大丈夫だ、と気持ちの折り合いをつけたいところですが、なかなかそう簡単なものでもなさそうです。

 

この議論に終止符を打つには、実証データに基づく検証が必要です。

 

その手法として注目されているのが、BCG実接種の人を多数選んで世界各国に分散させ、コロナにどれぐらい感染し重症化するのかをマッピングするものです。

 

このランダム化比較試験は既にオランダやオーストラリアで検討されています。

 

現時点では軽々に結論は出せませんが、こうした検証に注目していきたいものです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。